乳児湿疹とは、生後2週頃から数か月までの乳児に様々な原因でできる湿疹や皮膚炎をまとめて、「乳児湿疹」と呼んでいるものです。この中には「脂漏性皮膚炎」、「アトピー性皮膚炎」や「接触皮膚炎（おむつかぶれなど）」などが含まれていました。しかし、それぞれ別の病気のため、最近では区別され「乳児湿疹」という言葉は少なくなってきています。
ただし、乳児期の湿疹の区別は簡単ではなく、治療法が似ている疾患もあるので、広い意味で乳児湿疹と呼ばれています。顔周りや首などの体の一部や頭皮を中心に発症し、1～2歳までには自然治癒することが多いです。湿疹は、赤いぷつぷつしたものから、黄色いかさぶたや白いフケのようなもので覆われているものなど様々で、かゆみがひどい場合、引っ掻いて皮膚がむけてしまうと患部がジュクジュクになる場合があります。乳児湿疹は他の疾患との区別が難しいので、早めに医師へ相談するようにしましょう。

乳幼児の皮膚はとても敏感です。おしっこやうんち、皮脂などの刺激が原因ですぐに炎症を起こし皮膚炎を発症します。洗いすぎて皮脂が少なくなりすぎても乾燥性の炎症を起こします。洗浄と保湿を基本とする、正しいスキンケアが必要です。ひどくなると細菌や真菌（かび）などの二次感染を起こすことがあります。なかなか治癒せず全身に湿疹が広がる場合はアトピー性皮膚炎の可能性もあります。乳児のなかなか良くならない湿疹の場合、食物アレルギーが原因であることもあります。
当院ではパンフレットや当院オリジナルの治療説明書を用いて、丁寧な診察と軟膏塗布方法の説明、看護師によるスキンケア指導を行っています。お気軽にご相談ください。