この食べ物いつからOK?貝アレルギー・えび・かにと離乳食の進め方
- 2026年9月25日
- 星空栄養だより

離乳食から幼児食の時期に、「あれ?これっていつから食べさせていいのかな」と悩む事がありますよね。食べられる目安を紹介しますので、参考になさって下さいね。
あわせて、ご相談の多い貝アレルギー(あさり・しじみ・ほたて・あわびなど)や、えび・かに・たこ・いかのアレルギーについても、症状の出かたや検査の受け方を小児科・アレルギー科の視点からご説明します。
食べられる年齢の目安と、アレルギーが心配なときの進め方は別の話です。両方を知っておくと、ご家庭で判断しやすくなります。
食べられる目安(年齢別)
☆卵・生卵・温泉卵
生後6ヶ月頃から、しっかり茹でた(沸騰後20分加熱)卵黄を耳かき1杯分程度の量から始めましょう。卵白はアレルギーが起こりやすいので、離乳食中期から様子を見ながら与えましょう。温泉卵や生卵は細菌感染の恐れがあるので、基本的には3才を過ぎてからにしましょう。
☆刺身・貝類
刺身には細菌類や寄生虫がいる事があるので、2才半〜3才頃に新鮮なものを少量からにしましょう。貝類はまだ積極的にあげる必要はありませんが、よく加熱し、細かく刻めば1才半頃から少量可能です。
貝類は、あさりやしじみなどの二枚貝、さざえやつぶ貝などの巻貝、あわびなど種類が幅広く、いずれも弾力があって噛み切りにくい食材です。加熱と刻みは、アレルギー対策というより窒息を防ぐためにも大切な工夫になります。
☆えび・かに
アレルギー症状が出やすい食材ですので、注意が必要です。与える場合は2才以降に、様子を見ながら少量ずつにしましょう。
☆タコ・イカ
タコやイカは噛み切るのが難しい食材なので、与える場合は加熱したものを3才以降に細かく刻んであげましょう。
☆骨のある魚
だいたい6才頃になると、骨があっても口から出したり、取り除いたりできるようになります。
☆肉・ホルモン
よく加熱し、なめらかに潰したレバーは6ヶ月頃から食べる事ができます。鶏肉は中期から、牛・豚肉は後期からが目安です。ホルモンは硬いので、幼児期には食べさせないようにしましょう。
☆ベーコン・ハム・ソーセージ
肉の加工品は、風味付けに使うのは良いですが、たくさん食べるには添加物が心配です。1才を過ぎてから、ほんの少し風味づけとして使いましょう。塩分も強く、添加物も気になるので、必ず茹でてから使いましょう。3才頃から1日1〜2本(30g)程度を目安にしましょう。
貝アレルギーとは
貝アレルギーは、あさり・しじみ・ほたて・かき・あわび・さざえといった貝類を食べたあとに、アレルギー症状があらわれる状態をいいます。
貝類・いか・たこ、そしてえび・かにといった甲殻類には、トロポミオシンという共通したたんぱく質が含まれています。このたんぱく質がアレルギーの原因になることが知られており、そのため「えびを食べると症状が出るけれど、貝やいかは大丈夫だろうか」と心配される保護者の方が多くいらっしゃいます。実際に複数の魚介類で症状が出る方もいれば、特定の1種類だけという方もいて、どこまで注意が必要かは個人差があります。
なお、食物アレルギーの表示制度では、えび・かには表示が義務づけられた「特定原材料」に、あわび・いかは表示がすすめられている「特定原材料に準ずるもの」に位置づけられています。あさりやしじみ、ほたてなどは表示の対象外ですので、加工品を選ぶ際は原材料名をご自身で確認いただく必要があります。
貝アレルギーの症状
食べてから比較的短い時間(多くは2時間以内)に、次のような症状があらわれることがあります。
- 皮膚:じんましん、赤み、かゆみ、まぶたや唇の腫れ
- 口やのど:口の中のイガイガ感、のどのかゆみ、違和感
- 消化器:腹痛、吐き気、嘔吐、下痢
- 呼吸器:咳が続く、声がかすれる、ゼーゼーする、息が苦しそう
- 全身:ぐったりする、顔色が悪い、意識がぼんやりする
複数の臓器にまたがって症状が出たり、呼吸や血圧に影響が及んだりする状態はアナフィラキシーと呼ばれ、緊急の対応が必要です。呼吸が苦しそう、ぐったりしている、繰り返し嘔吐するといった様子があるときは、様子を見ずに救急の受診をご検討ください。

アレルギーと間違えやすい「貝で起こる別の症状」
貝を食べたあとの体調不良が、すべてアレルギーとは限らない点も知っておいていただきたいところです。
- ノロウイルスなどによる食中毒:かきなどの二枚貝が原因になることがあり、嘔吐や下痢が主体です。同じものを食べた家族にも同じ症状が出ることが多く、症状が出るまでの時間もアレルギーより長いのが特徴です。
- 貝毒:特定の時期・海域の二枚貝にみられ、しびれなどの神経症状が出ることがあります。市販の貝は検査を経て流通していますが、潮干狩りなどで採った貝を食べる際は自治体の情報をご確認ください。
- ヒスタミンによる症状:鮮度が落ちた魚などで起こることがあり、じんましんが出るためアレルギーと見分けがつきにくいことがあります。
- 消化しきれないことによる腹痛:噛み切れないまま飲み込んでしまい、おなかが痛くなるケースもあります。
見分けがつきにくいため、「貝を食べて具合が悪くなった」という場合は、何をどのくらい食べて、どのくらいの時間でどんな症状が出たかをメモしておいていただけると、診察のときにとても役立ちます。写真や動画もあわせてお持ちいただくと参考になります。
貝アレルギーの検査は何歳からできる?
「まだ小さいけれど検査できますか」というご質問をよくいただきます。当院では、次のような検査に対応しています。
- 血液検査(特異的IgE抗体検査):生後6ヶ月頃から実施できます。えび・かに・あわび・いかなど、項目ごとに調べることができます。
- プリックテスト:新生児から実施可能です。皮膚にごく少量のアレルゲンをのせて反応をみる検査で、血液検査と組み合わせて判断します。
- prick to prick test:血液検査では扱っていない食材について、実際の食品を用いて調べる方法です。あさりやしじみなど、検査項目として用意されていない貝を確認したい場合にも対応できます。
ただし、検査の数値が高いことと、実際に食べて症状が出ることは必ずしも一致しません。数値だけを見て食べられる・食べられないを決めてしまうと、必要以上に食べられるものを減らしてしまうことがあります。最終的な判断には、実際に食べて確認する食物経口負荷試験が必要になる場合があります。
当院では食物経口負荷試験を院内で実施しています。まずは相談のための受診をしていただき、そのうえで別日程を決めて受付で本予約する流れです。院内での実施枠は月・火・水・金の9:00〜または14:30〜となっています。検査全般については当院でできる検査、食物アレルギーの考え方については食物アレルギーの特徴や検査についてのページもあわせてご覧ください。
はじめて食べさせるときのポイント
貝類や甲殻類にかぎらず、はじめての食材を試すときは次の点を意識していただくと安心です。
- 平日の日中に試す。医療機関が開いている時間帯であれば、何かあったときにすぐ相談できます。
- 少量から始める。ごく少しから、数日かけて量を増やしていきます。
- 一度に複数の新しい食材を試さない。症状が出たときに、どれが原因か分からなくなります。
- しっかり加熱する。加熱によってアレルギーの起こりやすさが変わる食材もあり、食中毒の予防にもなります。
- 体調のよい日に試す。発熱時や湿疹が悪化しているときは避けましょう。
- 食べたあと2時間ほどは様子をみる。
なお、アレルギーが心配だからといって、自己判断で食材を長く避け続けることはおすすめできません。必要のない除去は栄養面や食体験の幅に影響することがあります。迷われたときはご相談ください。

こんなときはご相談ください
- 貝やえび、かに、いか、たこを食べたあとに、じんましんや嘔吐、咳などがみられた
- 過去に症状が出たことがあり、次に食べさせてよいか判断に迷っている
- きょうだいや保護者に食物アレルギーがあり、進め方に不安がある
- 検査を受けたことがなく、状況を整理したい
- 保育園や学校への提出書類のことで相談したい
当院は小児科・アレルギー科を掲げており、食物アレルギーの診療に力を入れています。乳児期に嘔吐を繰り返すタイプのアレルギーについては乳児の消化管アレルギーのページもご参照ください。食べられる食材の広げ方や献立のご相談は、管理栄養士による栄養相談でも承っています。
お食事相談・離乳食相談実施中。毎週水曜日14:30〜16:00。ご予約の方優先となりますが、空きがあれば当日でも大丈夫です。
よくある質問(FAQ)
- えびでアレルギーが出たら、貝も食べられませんか。
えび・かに・いか・たこ・貝類には共通するたんぱく質が含まれるため、複数で症状が出る方もいらっしゃいますが、必ずしも全部を避ける必要があるわけではありません。個人差がありますので、検査や必要に応じた負荷試験で確認していきます。
- 加熱すれば食べられますか。
加熱によって食べられる量が変わる食材もありますが、貝や甲殻類では加熱しても症状が出る場合があります。自己判断で試さず、まずご相談ください。
- あさりの出汁も避けたほうがよいですか。
症状の強さによって対応は異なります。出汁まで避ける必要がある方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。診察のうえで、どこまで注意が必要かを一緒に整理していきます。
- 一度症状が出たら、大きくなっても食べられないままですか。
卵や牛乳などに比べると、甲殻類や貝類は年齢が上がっても続きやすい傾向があるとされています。ただし個人差がありますので、定期的に状況を確認していくことが大切です。
- 食べさせなければ検査は不要ですか。
症状が出たことがある場合や、園・学校で対応が必要な場合は、状況を把握しておくと安心です。ご家庭の方針もふまえてご提案いたします。
まとめ
離乳食から幼児食の時期は、食材ごとに「いつからOKか」の目安を知っておくと進めやすくなります。貝類はよく加熱して細かく刻めば1才半頃から少量、えび・かには2才以降、たこ・いかは3才以降が目安です。
そのうえで、貝やえび・かに・いか・たこには共通したたんぱく質があり、アレルギー症状が出ることがあります。症状の出かたには個人差があり、貝で起こる食中毒や貝毒と見分けにくい場合もありますので、心配なときは自己判断で避け続けるのではなく、一度ご相談いただくことをおすすめします。
受診のご案内
星空こども・アレルギークリニックは、阪急今津線「仁川」駅東口から徒歩約30秒、甲東園駅からも徒歩約10分の小児科・アレルギー科です。宝塚市・西宮市を中心に、離乳食の進め方から食物アレルギーの検査・治療まで幅広くご相談いただいています。
はじめて受診される方は初めての方へ、道順はアクセスをご覧ください。ご予約は24時間ネット予約から承っております。
監修・医師紹介
院長 塚本 容子(つかもと ようこ)(日本小児科学会認定 小児科専門医/日本アレルギー学会専門医/エピペン処方登録医/免疫療法薬登録医(舌下免疫療法)/コンサータ・ビバンセ処方登録医(ADHD治療薬)/大阪府発達障がい精神科医師養成研修修了認定)
1999年兵庫医科大学卒。神戸大学医学部附属病院小児科・兵庫県立こども病院・神奈川県立こども医療センター・国立成育医療研究センターアレルギー科など小児医療の中核施設で研鑽を積み、小児アレルギー(アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息)を専門としています。大阪精神医療センター児童思春期精神科で発達外来を担当(現任・木曜午前)し、乳幼児から小学生の発達相談にも対応しています。所属学会は日本小児科学会・日本アレルギー学会・日本小児精神神経学会・日本小児心身医学会です。食物アレルギーは、必要な範囲を見きわめながら食べられるものを広げていくことが大切です。気になる症状は自己判断せず、お気軽にご相談ください。
経歴・保有資格の詳細はこちら → https://hoshizora-kodomo.com/doctor/
参考文献
- 日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2021 ダイジェスト版」
https://www.jspaci.jp/guide2021/ - 消費者庁「アレルギー表示について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/ - 厚生労働省「食中毒」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html - こども家庭庁「授乳や離乳について(授乳・離乳の支援ガイド)」
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/junyuu/