アレルギー検査39項目(View39)とは?調べられる内容と、子どもに向くかどうかの考え方
- 2026年10月27日
- クリニックだより
「アレルギー検査を39項目まとめて調べられる」と聞いたことはありませんか。View39(ビュー39)と呼ばれる検査のことで、一度の採血で39種類のアレルゲンを調べられます。
ただ、項目が多い検査ほど安心かというと、そう単純ではありません。特に小さなお子さまでは、症状と関係のない項目まで陽性と出て、かえって迷ってしまうことがあります。
このページでは、39項目の検査で何が調べられるのか、どんなときに役立ち、どんなときに向かないのかを整理します。当院では6歳以上の患者さんに限ってお受けしている理由もあわせてお伝えします。

アレルギー検査39項目(View39)とは
View39は、腕から採った血液を使って、39種類のアレルゲンに対する特異的IgE抗体をまとめて測定する検査です。「MAST(マスト)法」と呼ばれる測定方法を使ったセット検査のひとつで、多くの医療機関で扱われています。
一度の採血で済み、保険診療で受けられることから、原因の見当がつかないアレルギー症状の「入り口」の検査として使われることの多い検査です。
39項目の内訳
39項目の内訳は、吸入系とその他が19項目、食物系が20項目です。
吸入系・その他(19項目)には、次のようなものが含まれます。
- ダニ、ハウスダスト
- スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバなどの樹木の花粉
- カモガヤ、オオアワガエリなどのイネ科の花粉
- ブタクサ、ヨモギなどのキク科の花粉
- イヌやネコの皮屑(ひせつ)
- カビ類、ゴキブリ、ガ、ラテックスなど
食物系(20項目)には、次のようなものが含まれます。
- 卵白、オボムコイド(加熱に強い卵のたんぱく質)
- 牛乳、小麦、そば、落花生、大豆、ごま、米
- えび、かに
- 果物、魚、肉類など
季節ごとに症状が出る花粉症の原因を探したいとき、一年を通して鼻炎が続く原因を絞りたいときなど、吸入系のアレルゲンを広く見渡したい場面に向いた組み合わせになっています。
結果が出るまで
外部の検査機関で測定するため、結果が出るまでのめやすは数日から1週間程度です。結果が出たら、あらためて診察でご説明します。
39項目の検査でわかること、わからないこと
ここが、いちばん大事なところです。
この検査でわかるのは「その物質に対するIgE抗体が、血液の中にどれくらいあるか」です。これを感作(かんさ)といいます。体がその物質に反応する準備をしている状態、という意味です。
一方で、この検査ではわからないことがあります。それは「実際に食べたり吸い込んだりしたときに、症状が出るかどうか」です。これを発症といいます。感作と発症は別のものです。数値が高くても症状がまったく出ない方もいれば、数値がそれほど高くなくても強い症状が出る方もいます。数値は診断の材料のひとつであって、数値だけで「アレルギーである」と決まるわけではありません。

当院が6歳以上に限ってお受けしている理由
当院ではView39を扱っていますが、6歳以上の患者さんに限らせていただいています。理由は、年齢が低いお子さまほど、食物のアレルゲンで偽陽性(実際には症状が出ないのに、検査では陽性と出ること)が出やすいためです。乳幼児期は体がさまざまな食べ物に出会っている時期で、IgE抗体の数値だけが上がっていることがめずらしくありません。その数値をそのまま受け取ると、本当は食べられるはずの食材まで除去してしまうことになります。除去が長引けば、お子さまの食生活の幅も、ご家族の負担も大きくなります。
当院の基本方針は、必要最小限の除去です。項目を広く並べて陽性の数を数えるのではなく、いつ・何を・どれくらい食べたときに、どんな症状が出たのかという経過をていねいにうかがい、そのうえで必要な項目だけを選んで調べています。
なお、同じように多くの項目をまとめて調べる検査に、指先の血液1滴で41項目を測る「ドロップスクリーン検査」があります。こちらは食物アレルゲンでの偽陽性がさらに目立つため、当院では基本的に使用していません。
6歳未満のお子さまはどう調べるのか
年齢が低いお子さまでも、調べる方法はあります。当院で行っている主な検査は次のとおりです。
- 特異的IgE抗体検査(項目を選ぶ血液検査):生後6か月頃から可能です。症状から必要な項目を医師が選んで測定します。
- プリックテスト(皮膚テスト):新生児から実施できます。皮膚に少量のアレルゲンをのせて反応を見る検査で、痛みが少なく、赤ちゃんにも行いやすい検査です。
- prick to prick test:血液検査の項目にない食材でも、実物を使って反応を確認できます。
- アレルゲンコンポーネント検査:症状を起こしやすい特定のたんぱく質を調べ、重い症状のリスクの手がかりにします。
- 食物経口負荷試験:医師の管理のもとで実際に食べていただき、症状の有無と安全に食べられる量を確認します。食物アレルギーの確定診断にあたる検査です。
くわしくは当院でできる検査のページにまとめています。

費用について
アレルギーの診察・検査・治療は、原則として保険診療で行っています。お住まいの自治体によっては、小児の医療費助成の対象になる場合が多くあります。
負担額は、加入されている保険や助成の内容、同時に行う診察・検査の内容によって変わります。おおよその見込みは受診時にご説明しますので、気になるときは遠慮なくお尋ねください。
受診の目安
次のようなときは、一度ご相談ください。
- くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみが、季節ごとに、または一年を通して続いている
- 咳やゼーゼーが繰り返し起こる
- 湿疹がなかなかよくならない
- 特定の食べ物を食べたあとに、じんましん・嘔吐・咳などの症状が出たことがある
- 他院で39項目の検査を受けたが、結果をどう受け止めればよいかわからない
他院での検査結果をお持ちの場合は、そのまま持参してください。結果を無駄にせず、症状の経過と合わせて読み解いていきます。
よくある質問(FAQ)
Q.何歳から39項目の検査を受けられますか。
当院では6歳以上の患者さんに限ってお受けしています。年齢が低いお子さまでは食物の項目で偽陽性が出やすく、必要のない除去につながる可能性があるためです。6歳未満のお子さまには、項目を選ぶ血液検査やプリックテストをご提案します。
Q.項目が多いほうが見落としがなくて安心ではないですか。
項目が多いほど安心とは限りません。症状と関係のない項目まで陽性と出ると、判断がかえってむずかしくなることがあります。当院では、症状から必要な項目を絞る方法をおすすめしています。
Q.数値が高いと、その食べ物は食べてはいけないのですか。
数値が高いことと、実際に症状が出ることは別です。除去が必要かどうかは、症状の経過や、必要に応じて行う食物経口負荷試験の結果をふまえて判断します。自己判断で除去を始めないでください。
Q.保険は使えますか。
原則として保険診療で行っています。小児の医療費助成の対象になる場合が多くあります。詳しくは受診時にご説明します。
Q.検査結果はいつわかりますか。
外部の検査機関で測定するため、数日から1週間程度が目安です。結果が出ましたら、あらためて診察でご説明します。
まとめ
View39は、一度の採血で39項目のアレルゲンを調べられる検査です。吸入系19項目と食物系20項目という組み合わせで、花粉症や通年性の鼻炎の原因を広く見渡したいときに役立ちます。一方で、この検査でわかるのは感作であって、発症ではありません。特に年齢が低いお子さまでは食物の項目で偽陽性が出やすいため、当院では6歳以上に限ってお受けしています。検査は、症状の経過と合わせて読み解いてはじめて意味を持ちます。症状には個人差がありますので、気になることがあれば自己判断せず、医療機関にご相談ください。
受診のご案内
星空こども・アレルギークリニックは、阪急今津線 仁川駅の東口改札を出て左手すぐ、徒歩約30秒の場所にあります。宝塚市仁川エリアのほか、西宮市や甲東園・西宮北口方面からも通っていただいています。
小児アレルギーを専門とする医師が、お子さまの年齢と症状に合わせて必要な検査を選び、必要最小限の除去を基本にご一緒に方針を考えていきます。アレルギー科のページに診療内容をまとめていますので、あわせてご覧ください。
ご予約はWeb予約から24時間お取りいただけます。はじめて受診される方は初めての方へもご確認ください。
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監修・医師紹介
院長 塚本 容子(つかもと ようこ)(日本小児科学会認定 小児科専門医/日本アレルギー学会専門医/エピペン処方登録医/免疫療法薬登録医(舌下免疫療法)/コンサータ・ビバンセ処方登録医(ADHD治療薬)/大阪府発達障がい精神科医師養成研修修了認定)
1999年兵庫医科大学卒。神戸大学医学部附属病院小児科、兵庫県立こども病院、神奈川県立こども医療センター、国立成育医療研究センターアレルギー科など、小児医療の中核施設で研鑽を積み、小児アレルギー(アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息)を専門としています。大阪精神医療センター児童思春期精神科で発達外来を担当しており(現任・木曜午前)、乳幼児から小学生の発達相談にも対応しています。所属学会は、日本小児科学会・日本アレルギー学会・日本小児精神神経学会・日本小児心身医学会です。気になる症状は自己判断せず、お気軽にご相談ください。
経歴・保有資格の詳細はこちら → https://hoshizora-kodomo.com/doctor/
参考文献
- 厚生労働省「リウマチ・アレルギー対策」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/ryumachi/index.html - 日本小児アレルギー学会
https://www.jspaci.jp/ - 日本アレルギー学会「アレルギーポータル」
https://allergyportal.jp/